「最近食欲がない」原因と危険サインを解説|考えられる病気とは
「食欲がわかない」ということを軽く考えてしまうと、栄養不足や体力低下を招き、心身の不調を長引かせることがあります。 食欲不振は一時的な疲れだけでなく、病気やストレス、生活リズムの乱れ、薬の副作用など多くの要因が関わるため、正しい理解が大切です。 本記事では、食欲不振の定義・放置リスク・主な原因6つを原文そのままで確認できます。 自分の状態を見極め、適切な受診やセルフケアにつなげる第一歩としてご活用ください。
食欲不振とは
食欲不振とはどのような状態なのでしょうか。 ここでは食欲不振のときに体の中で起こっていること、食欲不振を放っておくと危険である理由について解説します。
食事をしていないのに食欲が出ない状態
食欲不振とは、食事をしていないにもかかわらず食欲がない状態のことです。 本来は、食事をしないと血糖値が下がり、空っぽの胃が収縮する(おなかが鳴る)ことで、その信号を脳にある摂食中枢(視床下部)がキャッチして空腹を感じます。 しかし、何らかの理由で摂食中枢が信号をキャッチしにくくなると、食欲不振が起こりやすくなるのです。
悲しいことがあったり、ひどく疲れていたりすることで食欲不振となることはありますが、通常は数日で改善されます。 食欲不振となると、それ自体がストレスとなりさらに食欲不振となる場合もあります。 数日以上にわたる食欲不振を放っておくと、体にとって危険な状態を招く恐れがあるため、注意が必要です。
食欲不振を放っておくと危険
食欲不振は食欲を感じにくい状態ですが、食事は必要です。 なぜなら、食欲不振となり食事をしないままでいると体や心に悪影響を与えるからです。
例えば、ビタミンDが不足すると骨粗鬆症になりやすくなったり、ミネラルが不足するとさらに食欲不振が悪化したりなど、不足している栄養素に応じてさまざまな症状が見られるようになります。 そのため、何日も食欲不振が続く場合は、医療機関を受診する必要があります。 胃痛や発熱、吐き気、下痢などがある場合は消化器科や内科、ストレスや抑うつなどの場合は精神科や心療内科、持病がある場合はかかりつけ医へ相談すると良いでしょう。
食欲不振の原因
食欲不振となる原因はいったい何なのでしょうか。
食欲不振の主な原因には、以下の六つがあります。
- 体の不調・病気によるもの
- ストレス
- 不規則な生活
- 加齢
- 過度な飲酒
- 薬剤の副作用 以下で、一つずつ解説していきます。
体の不調・病気によるもの
食欲不振を起こす原因として最も多いのは、体の不調・病気によるものです。
以下のような病気・症状がある場合は食欲不振になることが多くみられます。
- 慢性胃炎、胃潰瘍・十二指腸潰瘍など消化器の不調・病気
- 心不全、慢性腎臓病、甲状腺機能低下症など、肺や心臓、腎臓、甲状腺の持病
- 風邪、インフルエンザなどの感染症
- むし歯、口内炎などの口腔疾患
このような病気・症状があることで、食欲不振を引き起こしてしまう原因となります。 また、体の不調・病気などは老若男女問わず、食欲不振を発症することが多くみられます。
ストレス
精神的なストレスが続いている、うつ病をはじめとした心の病気にかかったという方は食欲不振となることがあります。 なぜなら、不安や焦燥、抑うつなどに悩まされることで摂食中枢が鈍くなり、おなかがすいたことを感じにくくなることで食欲が低下してしまうからです。 また、ストレスによる食欲不振は、味覚障害を発症することもあります。 味覚障害によって食べ物の味がしなくなり、さらなる食欲不振へとつながってしまいます。
うつ病をはじめ、心の病気は味覚症状など体に症状が出るため、本人も家族も気付きにくいことが多い傾向にあります。 病院で体の検査をしても原因が分からない場合は、精神科に相談してみると良いでしょう。
不規則な生活
不規則な生活を送っていると、食欲不振になってしまうことがあります。 運動不足や睡眠不足が続くことで自律神経が乱れ、食欲不振となってしまうためです。 また、運動量が少ない(運動不足)ことで、必要なエネルギー量が少なくなり、食欲が低下することもあります。
自律神経の交感神経・副交感神経のバランスが崩れることで、胃腸のはたらきが乱れて胃痛の原因となることもあります。 毎日の起きる時間、寝る時間、食事の時間などを一定にすることがおすすめです。
加齢
加齢も食欲不振の原因になり得ます。 これは、年齢を重ねることにより胃腸の機能低下や嚥下機能の低下(飲み込む力が弱くなる)が起こってしまうことに起因しています。 また、加齢による味覚の低下も食欲不振になる要因の一つです。
さらに、筋力の低下に伴って運動量が減ると、必要とするエネルギー量も減少し、空腹を感じにくくなり、食欲低下につながりかねません。 年を重ねることでさまざまな機能が低下してしまうため、徐々に食欲がなくなっていく方が多くいます。
過度な飲酒
過度な飲酒をすることも食欲不振が起こる原因の一つです。 理由は、お酒を飲み過ぎると肝臓に負担がかかってしまうからです。
肝臓の負担が大きくなることで解毒作用が低下し、アルコールを分解・吸収する時間が長くなってしまいます。 アルコールを吸収・分解に時間がかかることで、体のだるさや吐き気などによって食欲が低下します。 過度な飲酒は避け、適度に飲むことで食欲が改善される可能性があります。
薬剤の副作用
薬剤の副作用が原因で食欲不振となることもあります。 薬剤には、副作用として消化管障害や悪心(おしん)、嘔吐、下痢、味覚障害などを発症してしまうものがあるためです。 これらの症状が現れる薬剤には、痛み止めや強心剤、抗がん剤などがあります。 また、高齢者の場合は生理機能の低下により薬が効き過ぎることがあり、それが食欲を低下させることもあります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。 食欲不振は「脳の摂食中枢がうまく働かない」状態で、原因は病気・ストレス・生活習慣・加齢・飲酒・薬の副作用まで多岐にわたります。 数日以上続く、痛みや発熱・嘔気がある、体重減少が目立つ――こうした場合は早めの受診が安全です。
要点
・放置は栄養不足や体力低下のリスク
・受診先は症状に応じて内科/消化器科/心療内科
・生活リズムの見直しも同時に進める
Q&A
- Q食欲不振ってどんな状態?
- A食事をしていないのに空腹を感じにくい状態です。摂食中枢が信号を拾いにくくなるのが背景です。
- Q食欲不振を放置すると何が危険?
- A栄養不足や体力低下を招き、骨粗鬆症や味覚障害など二次的な不調が進む恐れがあります。
- Q食欲不振の受診の目安は?
- A数日以上続く/体重減少が目立つ/発熱・胃痛・吐き気・下痢がある場合は早めに受診を。
- Q 食欲不振の主な原因は何?(6つ)
- A 病気・ストレス・不規則な生活・加齢・過度な飲酒・薬の副作用です。複数が重なることも。
- Q食欲不振の場合どの診療科へ行けばいい?
- A 消化器症状は内科/消化器科、心の不調は精神科/心療内科、持病がある場合はかかりつけ医へ。
ストレスによる体の不調を改善する3ステップ
まずは不安や課題に気づく
ストレスの影響を理解しよう。
解決方法を知る
ストレス改善の基本を学ぼう。
あなたに合う方法を選ぶ
自分に合う解消法を取り入れよう。