REST PALETTE

吐き気が続くのはストレスかも?原因の仕組みと注意すべき症状を解説

  • ストレスによる体の不調を改善

仕事や人間関係、環境の変化など、私たちは日々さまざまなストレスにさらされています。
「最近ストレスが続いていて吐き気がする」「特に胃の不調が気になる」という方も多いのではないでしょうか。
ストレスは心だけでなく体にも影響を与え、なかでも「吐き気」は自律神経のバランスが乱れることで生じる代表的な症状の一つです。

本記事では、ストレスが吐き気を引き起こすメカニズムや自律神経と胃腸の関係を原理からやさしく解説します。
心と体のつながりを理解することで、原因の手がかりが見つかり、次の対策ステップへ進みやすくなります。この文章ではストレスと吐き気の関係を解説しています。

ストレスで吐き気が起こる?

ストレスで体に現れる症状にはさまざまなものがあり、そのうちの一つに吐き気が挙げられます。 例えばお勤めの方は、仕事中にストレスを感じることも多いでしょう。

厚生労働省の「平成30年労働安全衛生調査(実態調査)」によれば58.0%と半数以上の方が仕事や職業生活に関することで「強いストレスとなっていると感じる事柄がある」 ことが分かっています[1]。

仕事で強いストレスを感じている人の割合

厚生労働省「平成30年労働安全衛生調査(実態調査)」をもとに執筆者作成

20~50代に至るまで、過半数以上の人が強いストレスを感じているようです。 しかしなぜストレスによって吐き気が起こってしまうのでしょうか? 吐き気への対処法を知るためにも、まずはストレスと吐き気の関係からご説明していきましょう。

[1] 厚生労働省「平成30年労働安全衛生調査(実態調査)結果の概況

ストレスは体のはたらきに影響を及ぼす

ストレスは体のはたらきと密接に関わっています。 ストレスをそのまま我慢し続けていると人の体や心、行動にさまざまな悪影響を及ぼします。 例えば仕事で忙殺されてしまった日や、上司に怒られてしまった場合などに「疲れた」「つらい」と感じることも多いと思いますが、まさにこのような感情が「ストレス」です。 「仕事」「上司」など、ストレスの原因となるものは「ストレッサー」といいます。

【ストレスの2つの要素】

  • ストレスの原因(ストレッサー)
  • ストレッサーによって生じた反応(ストレス)

また、ストレスは「つらい」「しんどい」といった心の反応だけでなく、体や行動にも現れます。 ストレスは人の体のはたらきを調節する自律神経系・内分泌系・免疫系のバランスを崩し、さまざまな病気の原因を作ってしまうのです[2]。

[2] 厚生労働省 働く女性の心とからだの応援サイト「ストレスとは

自律神経のバランスが崩れると胃腸に不調が出る

「吐き気が出るって、体のどこが悪くなっているんだろう……」 と気になった方もいらっしゃるかもしれませんね。 吐き気が出ているときには胃や腸などの消化器官の不調が疑われます。

胃腸のはたらきが悪くなったり、胃酸が過剰に分泌されたりして吐き気が出ていると考えられるのです。 吐き気のほかにもおなかが痛かったり下痢や便秘をしていたりと消化器官の不調だと思われる症状が出ていませんか? ストレスが胃腸の不調として現れるのは、ストレスが胃や腸のはたらきを司る自律神経に影響を与えてしまうためだと考えられます。

メモ
自律神経の乱れは体のさまざまな場所に影響を及ぼしますが、その人の体の弱い部分に症状として現れるといわれています。また、自律神経が乱れる原因にはストレスだけでなく生活習慣も考えられます。

自律神経は「交感神経」と「副交感神経」という2つの系統に分類され、ストレスがかかると交感神経がはたらくといわれています。 交感神経がはたらくと、例えば胃では胃酸や胃粘膜の分泌が減り、動きも低下します

しかし交感神経が強くはたらくとバランスを保つため反対のはたらきをする副交感神経も活発になり、胃酸の分泌を増やそうとします。 交感神経と副交感神経は互いに反対のはたらきをするため、バランスが崩れるといずれかのはたらきが強まって消化器官に悪影響を及ぼしてしまうのですね。 交感神経と副交感神経が胃と腸に対して与える影響は以下のようになっています。

【交感神経と副交感神経が胃腸に与える影響】

神経
交感神経 ・胃の動きを減らす
・胃酸の分泌を減らす
・胃粘液の分泌を減らす
・腸の動きを減らす
副交感神経 ・胃酸の分泌を増やす ・腸の動きを増やす

通常、胃の内側は胃酸によって溶けないよう胃粘液によって守られていますが、このバランスが崩れると胃酸が胃の粘膜を傷つけ、「急性胃炎」や「胃潰瘍」になってしまう場合もあります。

メモ
内視鏡で確認しても問題がないにもかかわらず、消化作用や収縮など胃のはたらきが悪くなりさまざまな症状が出る「機能性ディスペプシア」といった病気や、同様に検査でも異常は見つからないものの腸のはたらきに異常をきたす「過敏性腸症候群」といった病気でも吐き気が症状として現れる場合があります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。ストレスは心身両面に作用し、とくに自律神経の乱れは胃や腸の働きを不安定にして吐き気を招きます。 仕組みを理解しておくことは、今後の対策を選ぶうえで大きな助けになります。

要点
・ストレスは自律神経・内分泌・免疫のバランスを崩し不調を招く
・自律神経のアンバランスは胃酸分泌や胃粘液分泌にも影響
・検査で異常が出ない機能性ディスペプシアや過敏性腸症候群でも吐き気が起こり得る

Q&A

Qなぜストレスで吐き気が起こるの?
A脳と胃腸は自律神経でつながり、ストレスでバランスが崩れると胃腸機能が乱れ、吐き気につながります。
Q自律神経は具体的に吐き気にどう影響する?
A交感神経・副交感神経のバランスが崩れると胃酸・胃粘液分泌や胃腸の動きが偏り、気持ち悪さが出ます。
Q胃酸が吐き気に関係するって本当?
A はい。胃酸と胃粘液の守りのバランスが崩れると粘膜が傷み、急性胃炎・胃潰瘍などで吐き気が出ることがあります。
Q検査で異常なしでも吐き気は起こる?
A起こります。機能性ディスペプシアや過敏性腸症候群では検査異常がなくても胃腸機能の乱れから吐き気が出ます。
Q仕事のストレスで吐き気が増えることはある?
Aあります。多くの人が仕事で強いストレスを感じており、その負荷が自律神経に影響して吐き気の一因になります。

ストレスによる体の不調を改善する3ステップ

  1. STEP 1STEP 1まずは不安や課題に気づく
  2. STEP 2STEP 2解決方法を知る
  3. STEP 3STEP 3あなたに合う方法を選ぶ