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ストレスでなぜ食べ過ぎる?ホルモンバランスと過食の仕組みを解説

  • ストレスによる体の不調を改善

仕事や人間関係でストレスが強いと、普段より甘いものやこってりした食べ物が欲しくなる——そんな経験は多くの人にあります。
これは意思の弱さではなく、ストレスが脳やホルモンに作用して“食べたい気持ち”を強める生理的な反応です。

ストレスがかかると、食欲を高めるコルチゾールやドーパミン、グレリンが増え、逆に食欲抑制に関わるセロトニンやレプチンが低下します。その結果、満腹を感じにくくなり、過食行動につながりやすくなるのです。
本記事では、ストレスの仕組みと過食が起こるメカニズムをわかりやすく解説し、なぜ「いらいらすると食べたくなる」のかを整理していきます。

ストレスが過食につながる原因

お菓子を食べようか迷っている人

「仕事のストレスで食べ過ぎてしまった……」 「いらいらすると、どうしても食べたくなってしまう」 ストレスで食べ過ぎるという経験をした方は少なくないでしょう。

ストレスを感じたときに食欲が増してしまうのは、体の反応の一つだといえます。 まずはストレスとはどのようなものか、なぜストレスが過食につながるのか解説しましょう。

ストレスとは自分の外部からの刺激によって体や精神、行動に起こる反応のことを意味します。 原因となる「ストレッサー」とそれに対して起こる心身の反応(ストレス反応)を合わせてストレスと呼ぶ場合もあります。

一般的に「ストレス」というときには、ストレッサーとストレス反応が混同されている場合も多くあるかもしれませんね。 ストレスの原因となるストレッサーは、大きく以下の四つに分類されます。

【ストレッサーの分類】

  • 物理的ストレッサー:暑さ、寒さ、騒音、放射線など
  • 化学的ストレッサー:栄養不足、有害物質など
  • 生物的ストレッサー:病気、けが、飢え、睡眠不足など
  • 心理的・社会的ストレッサー:怒り、不安、責任、緊張、葛藤、恐怖、人間関係など

人間は特に、心理的・社会的ストレッサーによる影響を受けやすいとされています。 職場や学校などで人間関係の悩みを抱えたことがある方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

また家族や恋人、友人などとけんかやトラブルになり、それがストレッサーとなる場合もあります。 こうしたストレッサーの刺激を受けることで生じる「ストレス反応」は、大きく以下の三つに分類されます。

【ストレス反応の分類】

  • 心理面の反応:不安、気分の落ち込み、いらいら、恐怖、怒り、罪悪感、孤独感、集中困難、思考力低下、判断・決断力低下など
  • 行動面の反応:拒食・過食、怒りの爆発、けんかなどの攻撃的行動、過激な行動、引きこもり、孤立、幼児返りなど
  • 身体面の反応:食欲の減退、動悸(どうき)、異常な発熱、頭痛、腹痛、疲労感、嘔吐(おうと)、下痢、めまい、しびれ、睡眠障害など

過食はストレス反応のうち、行動面の反応の一種に位置づけられています。 実はストレスを感じた際にたくさん食べてしまうのは、体内のホルモンのバランスが乱れるためです。

ストレスがかかると体内では食欲を増進させるはたらきのある「コルチゾール」や「ノルアドレナリン」「ドーパミン」「グレリン」といった食欲を増進させるはたらきのある物質の分泌量が増加します。 またこれらの物質は食欲を抑える「セロトニン」や「レプチン」の分泌を抑制することが分かっています。

コルチゾールとグレリン、ドーパミンはセロトニンの分泌を、グレリンとドーパミンはレプチンの分泌を抑制します。 ストレスは体内で分泌されるさまざまな物質に影響を与え、過食を招いてしまうのですね。

好きなものやおいしいものをおなかいっぱい食べることは手軽なストレス解消法ですが、食べ過ぎは肥満の原因にもなってしまいます。 また多少の過食であれば少々体重が増える程度で済みますが、過食が自分の意思で止められなかったり、食べた後に嘔吐してしまったりする場合は摂食障害の恐れがあります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。 ストレスと過食は「気合い」で切り離せないほど密接で、体の仕組みが関わります。

要点は以下です。
・ストレッサーは物理・化学・生物・心理社会の4分類
・ストレス反応は心理・行動・身体の3分類で、過食は行動面の反応
・ホルモン(コルチゾール・グレリン↑/セロトニン・レプチン↓)が食欲を増強

Q&A

Qなぜストレスで食べ過ぎてしまうの?
A体内のホルモンバランスが変化し、食欲を高める物質が増えるためです。行動面のストレス反応として「過食」が現れます。
Qストレスはどんなホルモンが関係する?
Aコルチゾールやノルアドレナリン、ドーパミン、グレリンが増え、セロトニン・レプチンの働きが抑えられます。
Qストレッサーには何がある?
A 物理・化学・生物・心理社会の4分類です。とくに人間関係や責任などの心理・社会的ストレッサーの影響を受けやすいとされます。
Qストレス反応はどう分類される?
A 心理面(不安・いらいらなど)、行動面(過食・攻撃性など)、身体面(頭痛・下痢・不眠など)の3つに整理されます。
Q過食が止まらないときは?
A 背景にホルモン変化がある自然な反応です。ただし自分で制御できない・嘔吐を伴う場合は摂食障害の恐れがあり、次章の解説や適切な対応を検討しましょう。

ストレスによる体の不調を改善する3ステップ

  1. STEP 1STEP 1まずは不安や課題に気づく
  2. STEP 2STEP 2解決方法を知る
  3. STEP 3STEP 3あなたに合う方法を選ぶ