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ストレスとは何か?定義・原因・症状を専門的にわかりやすく解説

  • ストレスによる体の不調を改善

「ストレスがたまる」「ストレス社会」といった言葉を日常で耳にするものの、実際に“ストレスとは何か”を正確に理解している人は多くありません。 ストレスは単なる「疲れ」や「不満」ではなく、外部からの刺激によって体や心に起こる生理的な反応を指します。 放置すると、心身の不調や行動の変化を引き起こすこともあります。

この記事では、ストレスの定義・原因・影響をわかりやすく解説し、「なぜつらくなるのか」を理解する手がかりをお届けします。

ストレスとは

「ストレス」という言葉は日常的によく使われますよね。 私たちのストレスの原因にはどんなものがあるのでしょうか。 そして、ストレスによって私たちの心身にどんな変調が起こってしまうのでしょうか。 まずはこのストレスという言葉が持つ意味をかみ砕いて説明しましょう。

ストレスの定義

ストレスという言葉は、もともと機械工学の用語で「物体のひずんだ状態」を意味するものです。 医学用語としてのストレスは、外部からの刺激などにより体内に生じる反応のことで、カナダの生理学者ハンス・セリエ博士が唱えた「ストレス学説」によるものです。

ストレスという言葉は、「ストレスがたまっている」という使い方のほかに、「〇〇がストレスになっている」といったような使い方もされていますよね。 一般的には、ストレスの原因(ストレッサー)とそれによって生じた体や心のひずみ、ひずみを戻そうとする心身の反応(ストレス反応)をひっくるめて「ストレス」と表現されているといえるでしょう。 風船をギュッと押しつぶした状態をイメージしてみてください。

ストレスの定義

このとき風船をゆがませている手の力が「ストレッサー」で、風船自体がゆがんでいる状態を「ストレス反応」だと考えれば分かりやすいのではないでしょうか。 この風船のように、心身に負荷がかかっている状態を「ストレス」というのですね。

ストレスは私たちの体や心、行動にさまざまな影響を与えることが分かっています。 ストレスのシグナルが自分への警告として発せられ、それに伴って私たちの心身にはさまざまなつらい症状が現れるのです。 こういった異変に早めに適切な対応を取れば、正常な状態へと復調しやすくなります

しかし、さらなる無理を重ねるなどして対処が遅れると状態はどんどん悪化し、取り返しがつかなくなることもあります。 このような事態を避けるためにも、自分の体から発せられているストレスやそのシグナルに気付くことが大切です。

ストレスの原因

私たちの心身に影響を与えるストレスの原因(ストレッサー)は、「物理的ストレッサー」「化学的ストレッサー」「心理・社会的ストレッサー」の3つに大別できます。

【私たちの心身に影響を及ぼすストレッサーの種類】

  • 物理的ストレッサー……暑さ、寒さ、騒音、混雑など
  • 化学的ストレッサー……公害物質、薬物、酸素欠乏など
  • 心理・社会的ストレッサー……人間関係や仕事、家庭の問題など

この中でも私たちの日常生活で特にストレスの要因になりやすいのが、人間関係や仕事上の問題で起こる「心理・社会的ストレッサー」ではないでしょうか。

特に労働者のストレスは深刻な問題だといえるでしょう。 厚生労働省の「労働者健康状況調査」によれば「仕事や職業の環境でストレスを感じている」労働者の割合は、1982年には50.6%であったものが、2012年には60.9%になっています[1]。

また2012年の調査では職場の人間関係にストレスを感じていると回答した方が41.3%にも上っています[1]。 実際に学校や職場のストレスにより心や体にさまざまな異変を感じ、体調を崩した経験したことのある方は少なくないでしょう。

[1] 厚生労働省 こころの耳「ストレス軽減ノウハウ 1 ストレスとは

ストレスによる影響

ストレスは心だけでなく、体や行動にも影響を及ぼします。 ストレスが心に与える影響としては、やる気が低下したり、いらいらしてしまったり、不安や気分の落ち込みを感じたり、何かに対する興味や関心がなくなったりといったことが挙げられます。

これまで楽しいと感じていたことが、忙しいときには急にどうでもいいことのように感じられてしまった経験のある方もいらっしゃるのではないでしょうか。 それはストレスがたまってしまった結果なのかもしれません。 また体には、頭痛や肩こり、腰痛、目の疲れ、腹痛や消化器官の不調、動悸(どうき)、息切れ、不眠などの症状が現れます。

ストレスによる影響

ストレスでおなかが痛い、眠れなくなった、といった話はよく聞きますよね。 ストレスはさらに私たちの行動にも影響を及ぼします。

知らず知らずのうちにお酒やたばこが増えてしまったり、仕事でのミスが増えてしまったりする場合もあるのです。 ストレッサーが強すぎたり、ストレッサーが長期的に続いたりすると、ストレス反応が慢性化してしまいます。

ストレス反応が慢性化すると、最終的には気分の落ち込みや食欲の低下、疲れやすいなどの身体症状を伴ういわゆる「鬱(うつ)」の状態になってしまう可能性もあります。 さらに身体面でも、循環器系、消化器系、内分泌系などの疾患を引き起こす要因になるのです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。 ストレスは誰にでも起こる自然な反応であり、外的な刺激(ストレッサー)と体内の反応(ストレス反応)が組み合わさった状態です。 長期的なストレスは、以下のような悪影響をもたらすことがあります。

心の変化:不安・イライラ・気分の落ち込み
体の変化:頭痛・胃痛・肩こり・不眠など
行動の変化:集中力の低下・飲酒や喫煙の増加

ストレスを正しく理解し、自分のサインに気づくことが、心身の健康を守る第一歩です。

Q&A

Qストレスって結局なに?
A外部の刺激で体や心に起こる反応のこと。原因(ストレッサー)と、その反応(ストレス反応)の総称です。
Qストレッサーにはどんな種類がある?
A物理的(暑さ・騒音など)、化学的(公害物質・薬物など)、心理・社会的(人間関係・仕事など)の3つです。
Q心に出やすいサインは?
Aやる気低下、いらいら、不安、気分の落ち込み、興味・関心の低下などが挙げられます。
Q体に出やすいサインは?
A頭痛、肩こり、腹痛や消化不良、動悸、息切れ、不眠など。行動では飲酒量・喫煙量の増加やミスの増加も。
Qストレスが高い状態を放置するとどうなる?
A反応が慢性化し、抑うつ状態や循環器・消化器・内分泌系の疾患リスクが高まります。早めの気づきが大切です。

ストレスによる体の不調を改善する3ステップ

  1. STEP 1STEP 1まずは不安や課題に気づく
  2. STEP 2STEP 2解決方法を知る
  3. STEP 3STEP 3あなたに合う方法を選ぶ