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睡眠の質とは?時間では測れない良質な眠りの基本知識を詳しく解説

  • 日中の眠気をなくす

「しっかり眠ったはずなのに疲れが残っている…」そんな経験はありませんか? 睡眠は「時間」だけでなく「質」も大切です。 健康や日中のパフォーマンスを維持するためには、質の良い睡眠が不可欠とされています。

本記事では、理想的な睡眠時間や良質な睡眠の仕組みをわかりやすく解説します。 睡眠の基礎を押さえて、ぐっすり眠れる習慣づくりに役立ててください。

1. 睡眠は時間も質も重要!あなたはちゃんと眠れている?

健康的な睡眠をとれているかどうかは、「どれくらい寝たか」という時間だけでなく、「ぐっすり眠れたか」という質も踏まえて考える必要があります。 あなたは、朝起きるのに苦労したり、昼間強い眠気に襲われてぼんやりしてしまったりすることはありませんか?

睡眠不足の方によくある症状

もし日常的に上記のような症状が起こってしまっている場合は、睡眠を十分にとれていない可能性があります。 ここからは、健康を維持するためにどのような睡眠をとるべきなのかについて、ご説明していきましょう。

おすすめの睡眠時間は7時間程度

睡眠時間は長すぎても短すぎてもいけません。 一般の方約11万人を10年間追跡したJACC Studyでは、平日の睡眠時間が7時間程度の方が最も死亡率が低いという結果になりました[1]。 また、睡眠時間が4時間未満や10時間以上など、極端に短かったり長かったりすると、死亡リスクが大きく高まってしまうという報告もなされています。

今回ご紹介した研究だけで断定することはできませんが、自分の睡眠時間が極端に短かったり長かったりする場合、一度睡眠時間の見直しを検討すると良いかもしれませんね。 日頃から自分の睡眠時間を意識するようにするといいでしょう。

ベッド脇の目覚まし時計

注意事項
「普段は寝不足気味だけど休日にたくさん寝ているから問題ない」と思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、寝だめをしてもその後の睡眠不足に耐えられるとは限りません。睡眠は「ためる」ことができるものではなく、たくさん眠ったからといってその後の睡眠不足に耐えられるということはないのです。日頃からしっかりと睡眠をとるための工夫が必要不可欠といえるでしょう。

[1] JACC Study「睡眠時間と循環器疾患死亡

睡眠は時間だけでなく質も重要

7時間程度の睡眠時間を確保できてさえいれば大丈夫というわけではありません。 睡眠は「何時間寝たか」と同時に「どれだけ疲れをとれたか」という質に注目することも重要です。 いくら長い時間眠ったとしてもその睡眠が休養につながらなければ意味がないですよね。

それでは、心身の疲れが取ることのできる良質な睡眠とはどのような睡眠なのでしょうか? 専門家の間でも研究は進められているものの、実は良質な睡眠がどんなものかというはっきりとした答えは出ていません。 ただし、ぐっすり眠れている方の睡眠には「レム睡眠」という眠りと「ノンレム睡眠」という眠りが交互に現れているとされています。

「レム睡眠とノンレム睡眠ってよく聞くけど、実際何が違うんだろう……?」 と疑問に感じている方も いらっしゃるでしょう。

レム睡眠とノンレム睡眠は眠りの深さを示す概念です。 レム睡眠とは比較的浅い眠りの段階のことで、レム睡眠中には夢を見る方が多いことが知られています。

メモ
レム睡眠の特徴は、閉じた瞼の下で眼球がすばやく動くこと(急速眼球運動)です。 急速眼球運動(Rapid Eye Movements)の頭文字をとってレム睡眠と名付けられました。

一方、ノンレム睡眠は眠りが深い状態のことで、その深さの度合いによって4段階に分類されています。

メモ
ノンレム睡眠時には眼球運動を伴うレム睡眠のような浅い眠りではなく、大脳を休めるための眠りなのだといわれています。レム睡眠と対比してノンレム睡眠(non-REM sleep)と名付けられました。

【ノンレム睡眠の4段階】

段階数 特徴
睡眠段階1 呼びかければ直ぐに目覚めることができる浅い眠り。
まどろんでいる状態です。
睡眠段階2 軽い寝息をたてている状態。
中くらいの眠りです。
睡眠段階3 呼びかけなど外界の刺激にも反応しにくい、
深い眠りの状態です。
睡眠段階4 最も深い眠り。
ただ、睡眠段階3との差はまだ明確にされていません。

2021年に発表された研究では、ノンレム睡眠とレム睡眠は、ともに学習や記憶に重要であることが分かってきています[2]。

では、理想的とされている睡眠におけるレム睡眠とノンレム睡眠のバランスはどのようになっているのでしょうか? 良く眠れている方の睡眠は、一気にノンレム睡眠の深い眠りから始まります。

就寝後1時間ほどたつと、だんだん眠りが浅くなってレム睡眠へと移行します。 そして、再びノンレム睡眠に移行して深い眠りに入った後、眠りが浅くなってレム睡眠に移行します。 このような約90分の周期が一晩に3~5回程度繰り返されます。

注意事項
「睡眠」のメカニズムはとても複雑で、科学的に完全に明らかにされているわけではありません。

日中の眠気などに悩まされることがないよう「ぐっすり眠る」ための工夫をしていきましょう。

[2] 玉置應子『生理心理学と精神生理学』39(1)36‒51, 2021

まとめ

いかがでしたでしょうか。睡眠は長さと同時に質が大切であり、両方をバランスよく整えることが健康維持につながります。 本記事のポイントは以下の通りです。

・睡眠時間の目安は7時間程度 ・睡眠の「質」も重要で、レム睡眠とノンレム睡眠のバランスが鍵 ・質が悪いと日中の眠気や生活習慣病リスクが高まる

睡眠は毎日の積み重ねで変わります。

Q&A

Q最適な睡眠時間はどのくらい?
A 目安は「7時間程度」です。短すぎ(4時間未満)や長すぎ(10時間以上)はリスクが高まる報告もあり、自分の睡眠時間を見直すことが大切です。
Q休日の“寝だめ”で平日の寝不足は取り返せる?
Aいいえ。睡眠は「ためる」ことができません。日頃から規則的に十分な睡眠をとる工夫が必要です。
Q「睡眠の質」って何?
A休養感などで捉える概念で、はっきりした定義は未確定です。良く眠れている人はレム睡眠(浅い眠り)とノンレム睡眠(深い眠り)が交互に現れるのが特徴です。
Qレム睡眠とノンレム睡眠の違いは?
Aレムは浅い眠りで急速眼球運動が見られ、夢を見やすい段階。ノンレムは深い眠りで大脳を休め、1〜4段階に分類されます。どちらも学習・記憶に重要とされています。

日中の眠気をなくすまでの3ステップ

  1. STEP 1STEP 1まずは不安や課題に気づく
  2. STEP 2STEP 2解決方法を知る
  3. STEP 3STEP 3あなたに合う方法を選ぶ