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頭痛はなぜストレスで起こる?タイプ別の特徴と原因の仕組みを紹介 ストレス頭痛の原因

「最近、ストレスがたまると頭が痛くなる…」と感じたことはありませんか? 実は、ストレスと頭痛には深い関係があります。ストレスが心や体に負担を与えることで、筋肉の緊張や自律神経の乱れが起こり、結果として頭痛が引き起こされるのです。

この記事では、ストレスで起こる代表的な頭痛「緊張型頭痛」と「片頭痛」について、その特徴や原因、メカニズムを分かりやすく解説します。 自分の頭痛のタイプを知ることで、より効果的な対策の第一歩を踏み出せるでしょう。

ストレスと頭痛の関係

下を向いて頭を抱える女性 「ストレスのせいで頭痛が起こることはあるのかな?」 「ストレスが強いときは頭痛がするけど、関係があるんだろうか……」

仕事や人間関係のストレスに悩まされ、頭が痛くなった経験のある方もいらっしゃるでしょう。 ストレスは外部からの刺激などによって体の内部に生じる反応のことで、「ストレス反応」とも呼ばれます。

メモ
ストレス反応を引き起こす原因となるさまざまな外的刺激を「ストレッサー」と呼び、これとストレス反応を合わせてストレスと呼ぶ場合もあります。主なストレッサーには、暑さ、寒さ、騒音といった物理的なもの、栄養不足や有害物質といった化学的なもの、病気やけが、飢え、睡眠不足といった生理的なもの、職場や家庭での怒り、不安、葛藤、緊張、責任といった心理的・社会的なものがあります。

頭痛の原因はさまざまですが、ストレスによって起こることもあります

メモ
頭痛は他にはっきりした原因や疾患のない「一次性頭痛」と、他の疾患が原因で起こる二次性頭痛に大別できます。ストレスで起こる頭痛は一次性頭痛に該当します。

この記事ではストレスで起こる頭痛の種類とそれぞれのメカニズムについて解説します。

ストレスで起こる頭痛の種類

頭を抱える女性のモノクロ画像 「ストレスで起こる頭痛にはどんなものがあるのかな?」 ストレスが原因となって起こる頭痛には緊張型頭痛と片頭痛があります。 次に~それぞれの頭痛の症状について解説します。

緊張型頭痛は頭全体が締め付けられるようなじわじわとした鈍い痛みが特徴です。 緊張型頭痛は主に後頭部を中心に、頭の両側や首筋にかけて起こります。 また首や肩、後頭部などのこりや眼精疲労、ふわふわするような目まいなどを伴う場合もあります。

多くの場合、緊張型頭痛は我慢できないほどのひどい痛みではないため、能率は落ちるものの仕事や家事を続けることが可能です。 痛みは短時間で治まる場合もありますが、数時間から数日の間隔で頭痛と回復を繰り返したり、数日から数カ月間にわたって続いたりすることも稀ではありません。

一方、片頭痛は頭の片側または両側のこめかみ付近にずきんずきんと脈打つような非常に強い痛みが繰り返し起こることが特徴です。 歩いたり階段を上ったりするなど、体を動かすと悪化する場合が多く、吐き気や嘔吐(おうと)、下痢を伴うことも少なくありません。 また普段は気にならないような光や音、気圧の変化に過敏になる場合もあります。

片頭痛が始まると仕事や家事を続けられなくなったり、暗い部屋にこもって寝込んでしまったりと、日常生活に大きな支障を来します。 片頭痛が始まる前には「閃輝暗点(せんきあんてん)」や肩こり、目まい、しびれなどの前兆が現れる場合もあります。 閃輝暗点

閃輝暗点とは
目の前で火花が散るように光がチカチカする、視野にギザギザした歯車のような光が出現する、視界の一部が光によって白く遮られて欠けるといった症状のことです。閃輝暗点が治まると少しして片頭痛が起こります。

片頭痛の頻度は毎週という方もいれば毎月という方もいます。 いずれの場合も数時間から数日で自然に治まっていきます。 次の章では緊張型頭痛と片頭痛が起こるメカニズムについて解説します。

ストレスで頭痛が起こるメカニズム

頭をぐしゃぐしゃにしている男性 「どうしてストレスがかかると頭痛が起こるんだろう?」 ストレスによって頭痛が起こるメカニズムは、緊張型頭痛と片頭痛で異なります。 この章ではそれぞれの頭痛が起こるメカニズムを解説します。

緊張型頭痛は身体的・精神的なストレスが複雑に関係して起こると考えられています。 緊張型頭痛をもたらす身体的なストレスは、肩や首、後頭部の筋肉が緊張し、こり固まって血流が悪くなることです。 これにより筋肉から出た老廃物が正常に排出されず、神経を刺激することで頭痛が起こります。

具体的には、長時間うつむいた姿勢でパソコン作業やデスクワークなどを行った場合などに緊張型頭痛が起こります。 他にはショルダーバッグを肩に掛けたり、無理な姿勢を続けたりした際にも起こることがあります。

また精神的なストレスを受け続けて緊張した状態が長く続くと、脳の自律神経のバランスが崩れます

自律神経とは
意思と関係なく刺激に反応し、呼吸や体温調節、消化などの身体機能を調節する神経系です。体を活発に動かす際にはたらく「交感神経」と体を休めるときにはたらく「副交感神経」の二つがあります。ストレスや不規則な生活習慣などでこれらのバランスが崩れて心身に不調が生じた状態が「自律神経失調症」です。

自律神経のバランスが崩れると脳の痛みを調整する部位が機能不全に陥り、頭痛が引き起こされてしまうのです。 精神的なストレスを主因とする緊張型頭痛は、生真面目な方やきちょうめんな方に起こりやすいといわれています。

片頭痛が起こるメカニズムはまだよく分かっていません。 現在最も有力な説では、三叉神経という顔や頭の感覚をつかさどる神経が関係しているといわれています。 ストレスによって三叉神経が刺激を受けるとセロトニンなどの神経伝達物質が放出され、血管が拡張して炎症が起こります。 この際に拡張した血管が三叉神経を圧迫することで、ずきんずきんと脈打つような頭痛が起こるとされています。

片頭痛を起こす可能性のあるトリガーとしては欠食や空腹、睡眠不足、寝過ぎ、強い光、臭い、気圧、喫煙、飲酒などが知られています。 またチーズ、チョコレート、赤ワイン、化学調味料といった飲食物がトリガーとなる場合もあるといわれています。

なお、片頭痛はストレスを受けているときだけでなくストレスから解放されたタイミングで起こることがあります。 これはストレスが解消されてリラックスすると副交感神経が優位になり、血管が拡張するためです。 このため、週末になると片頭痛が起こるというケースも少なくありません

またストレス解消のためにチョコレートを食べる、チーズをつまみに赤ワインを飲む、思いきり長時間寝るといった片頭痛のトリガーを、知らず知らずに引いている場合もあります。 次の章からはストレスによる頭痛への対策をご紹介します。

まとめ

いかがでしたでしょうか。 ストレスによって起こる頭痛には「緊張型頭痛」と「片頭痛」があり、それぞれで痛みの原因や発症の仕組みが異なります。 ストレスが自律神経や血流に影響を与えることで、心身のバランスが崩れ、頭痛という形で現れるのです。

主なポイントをまとめると以下の通りです。 頭痛の種類 主な原因 特徴 緊張型頭痛 首・肩の筋肉のこり、精神的ストレス 鈍い締め付け感、長時間続く 片頭痛 三叉神経の刺激、血管拡張 ズキズキする痛み、吐き気・光過敏などを伴う

ご自身の頭痛のタイプを知ることが、改善の第一歩です。