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下痢が長引くのはストレスのせい?病院受診の目安とセルフケア方法

「ストレスでお腹を下してしまうけれど、病院に行くほどではないかも…」 そんなふうに様子を見続けていませんか? しかし、ストレス性の下痢の中には、過敏性腸症候群(IBS)や自律神経失調症などの病気が隠れている場合もあります。

この記事では、ストレスが原因と思われる下痢で病院を受診すべきタイミングや、医療機関での診断基準、さらに再発を防ぐための生活の見直しポイントをまとめて解説します。 「放置せず、正しくケアする」ための具体的なヒントを見つけていきましょう。

無理せず病院を受診しよう

下痢はストレスや暴飲暴食の他にも食当たりや食物アレルギーなどで起こる場合もあります。 激しい腹痛や発熱、嘔吐(おうと)を伴ったり、血便、水のような便が出たり場合する場合は細菌やウイルスなどによる感染性の症状かもしれません。 普段より激しくおなかを下している、他にひどい症状があるといった場合にはすぐに病院を受診しましょう。

また長く続く場合も要注意です。 慢性的に下痢が起こる場合、なんらかの病気が原因となっていることが考えられます。 腫瘍や炎症がないか、一度専門医で検査を受けるようにしましょう。

また腫瘍や炎症がないにもかかわらず下痢や腹痛、便秘などの症状が現れる場合には過敏性腸症候群などの病気も疑われます

過敏性腸症候群とは
腫瘍や炎症などの原因がないにもかかわらず、下痢や便秘、腹痛などを繰り返す病気です。英語では「Irritable Bowel Syndrome」といい、頭文字を取って「IBS」と呼ばれる場合もあります。

参考までに過敏性腸症候群の診断基準は以下のとおりです。

【過敏性腸症候群診断基準】

  • 最近3ヵ月の間に、週に1日以上にわたってお腹の痛みが繰り返し起こり、その痛みが
  • 下記の2項目以上の特徴を示す
     1)排便に関連する
     2)症状とともに排便の回数が変わる(増えたり減ったりする)
     3)症状とともに便の形状(外観)が変わる(柔らかくなったり硬くなったりする)

検査によって大腸に腫瘍や炎症などの病気がないことが確認された上で、以上が当てはまる場合、過敏性腸症候群だと考えられます[1]。 気付かぬうちに病気にかかっている可能性もあるので自己判断せず、長く続く場合には医師に相談しましょう。

[1] 日本消化器病学会「過敏性腸症候群(IBS)

ストレスと下痢を改善する生活のコツについてのまとめ

心と体は相関関係にあります。 ストレスをため込み過ぎるとさまざまな症状が現れる可能性があり、下痢もそのうちの一つです。 ストレスがたまっているな、と感じるとき頻繁に下痢が起こるようであれば、過敏性腸症候群や自律神経失調症といった病気になってしまっている可能性もあるといえるでしょう。

ストレスで下痢が起こっているときは「運動亢進性下痢」といって腸の運動が激しくなり、便の移動速度が上がることで便の水分が吸収されないまま出てきている状態だと考えられます。 下痢予防のためには原因となっているストレスを適宜解消するだけでなく、規則正しい生活を送ることで自律神経のバランスを整え、腸に負担がかからないよう消化に良い食事を摂ることが重要です。 また他の症状が出たり、長く続いたりする場合には無理せず速やかに医療機関を受診するようにしましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。 ストレスによる下痢は「一時的な体調不良」と見過ごされがちですが、長引く場合は医療的なケアが必要になることもあります。

要点を整理すると、次のようになります。

チェックポイント
・強い腹痛・発熱・血便がある:すぐに病院を受診
・3週間以上下痢が続く:専門医で検査を受ける
・ストレスが続き下痢を繰り返す:IBSや自律神経失調症の可能性

また、再発を防ぐには以下の生活改善がポイントです。
・ストレスをこまめに発散し、心身をリセットする
・規則正しい生活で自律神経のバランスを整える
・消化にやさしい食事を心がけ、腸を休ませる

「病院に行くほどでは…」と思っても、早めの相談が結果的に回復を早める近道です。 心と体のバランスを取り戻し、腸から健康を整えていきましょう。