ストレスによる不眠を改善するためのポイント
ポイント1 深呼吸する
ストレスで寝付けないときには深呼吸をしてみましょう。
不安や緊張が強い状態で、呼吸が浅くなったり速くなったりしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
深い呼吸をゆっくりと繰り返すことで気分が落ち着きやすくなるといわれています。
なお、このときには腹式呼吸を意識してみましょう。
腹式呼吸とは、息を吸うときにおなかが膨らみ、吐くときにへこむ呼吸法のことです。
腹式呼吸には「自律神経」を整えて「副交感神経」を優位にするはたらきがあると考えられています。
椅子に腰掛けた状態で腹式呼吸をする場合には、背筋を伸ばして軽く目を閉じ、おなかに手を当てて行うのがおすすめです。
途中で余計な考えが浮かんできても気を取られず、呼吸に集中することが大切ですよ。
ポイント2 リラックスできる音楽や音を聴く
リラックスできる音楽や音を聴くことにより、ストレス解消や睡眠の質改善の効果が期待できます。
音楽は自律神経に大きな影響を与えるといわれています。
副交感神経を優位にし、心身をリラックスさせることができると考えられているのです。
夜寝る前に聴くなら、落ち着いたテンポのクラシックやヒーリングミュージック、川のせせらぎや波の音、小鳥の鳴き声などの環境音が適しているでしょう。
また音楽は「コルチゾール」というストレスホルモンの分泌を抑え、心の安定をもたらすといわれています。
夜眠る前でなければ、穏やかな曲に限らず、自分の好みや気分に合った音楽を聴くのもストレス解消に効果的です。
アップテンポの曲には気分を高める効果があり、ゆっくりと落ち着いた曲には不安や緊張を和らげる効果があるといわれています。
ただし音楽の好みは人によって異なるため、同じ曲を聴いても同じ効果が得られるわけではありません。
あくまで自分の好みに合った曲を聴きましょう。
また、そのときの気分に合った曲を聴くことがストレスを効果的に緩和するともいわれています。
例えばイライラした気分のときには激しい曲、気持ちが落ち込んでいるときには穏やかな曲調の曲というように、状況に応じて聴く曲を変えると良いでしょう。
何かをしながら片手間に聴くのではなく、音楽に集中してみてくださいね。
また、カラオケボックスなどに行って好きな歌を歌うこともおすすめです。
歌っているときには自然と深い呼吸になるため、不安やイライラが和らぐ可能性がありますよ。
ポイント3 入浴でリラックスする
入浴には寝付きを良くしたり、心身の緊張をほぐしてリラックスした状態に導いたりする効果が期待できます。
ヒトの深部体温(体の内部の温度)は1日を通じて変動しており、就寝前に低下すると入眠しやすい状態になります。
入浴をすると手足の血管が広がり、入浴後に体の熱が外へ逃げやすくなるため、結果として体温の低下が促され、寝付きの改善につながるのです。
寝付きを良くしたいなら、就寝の約1〜2時間前に入浴するのがポイントです[1]。
熱いお湯に短時間つかるのではなく、ぬるめのお湯にゆっくり入りましょう。
体がしっかり温まり、湯冷めしにくくなりますよ。
なお入浴剤を使うことで、気分をリラックスさせたり、血行を良くしたりする効果が期待できます。
例えば、ラベンダーやカモミールなどのハーブを使用した入浴剤にはリラックス効果があるといわれています。
また、ゆずやレモン、みかんなど柑橘(かんきつ)類の皮に含まれる精油の成分や、炭、酒かすなどには血行を良くする作用が期待できるため、これらを含む入浴剤を使うのもおすすめです。
[1] 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド 2023」
ポイント4 寝る前のカフェイン摂取・喫煙・飲酒を避ける
就寝前のカフェインの摂取や喫煙、飲酒は避けましょう。
コーヒーや紅茶、緑茶などに含まれるカフェインには覚醒作用があるため、就寝前に摂取すると、寝付きが悪くなったり、深い睡眠が妨げられたりする恐れがあります。
また、たばこの煙に含まれるニコチンにも覚醒作用があるので注意しましょう。
アルコールは一時的には寝付きを良くしますが、眠りが浅くなってしまうため中途覚醒を誘発するといわれています。
夜寝る前には、ノンカフェインのハーブティー(カモミール、ラベンダーなど)やホットミルクなどを飲むのがおすすめですよ。
ポイント5 眠くないときは無理に寝床に入らない
なかなか寝付けないときには、無理に寝床に入らない方が良いといわれています。
眠気がないのに「眠らなければ」と焦ると、脳の興奮が高まり、かえって覚醒しやすくなることがあります。
さらに「布団に入っても眠れない」という体験を繰り返すと、寝床を眠れない場所だと脳が認識し、より眠れなくなってしまう恐れもあります。
また暗いところで目を閉じて横たわっていると、眠れないことについて必要以上に悩んでしまったり、日中の悩みが浮かんできたりして、気分が落ち込む原因にもなると考えられます。
寝付けないときにはいったん寝床から出て、穏やかなリラックスした時間を過ごし、脳や体を興奮させないようにしましょう。
ポイント6 寝る前にスマホやパソコンの画面を見ない
寝る前には、スマホやパソコン、タブレット端末などの画面をできるだけ見ないようにしましょう。
これらの液晶画面からはブルーライトが発されていて、体内時計を乱す原因になると考えられています。
体内時計が乱れることにより、睡眠にも悪影響を及ぼす可能性があるため注意しましょう。
寝室にはスマホやタブレットなどを持ち込まず、できるだけ暗くして寝ることが重要ですよ。
[2] 厚生労働省 健康づくりサポートネット 「体内時計」
ポイント7 適度に運動する
適度な運動は寝付きを良くし、睡眠の質を高めるといわれています。
運動によって深部体温(体の内部の温度)が上昇すると血液循環が高まり、その後、放熱が促されて深部体温が低下します。
就寝前に深部体温が低下すると入眠しやすい状態になるため、この仕組みを利用すれば質の良い睡眠がとりやすくなると考えられるのです。
ただし寝る直前に運動すると興奮状態になり睡眠の妨げになるため、就寝の2〜4時間前までに済ませておくことがポイントです[2]。
また激しい運動をするのではなく、息が弾み汗をかく程度の強度で行いましょう。
なお運動にはネガティブな気分を解消して心身をリラックスさせる効果もあるといわれていて、特に有酸素運動が効果的であると考えられています。
有酸素運動とは筋肉への負荷が比較的小さく、長時間継続して行うことのできる運動で、筋肉を動かすエネルギーとして酸素と共に体内の脂肪や糖が消費されるのが特徴です。
有酸素運動にはウォーキングやジョギング、サイクリング、エアロビクス、ダンス、縄跳び、水泳などがあります。
運動習慣がなく「急に運動をするのは抵抗がある」という方は、近所を散歩することなどから少しずつ始めても良いでしょう。
[3] 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド 2023」
ポイント8 規則正しく食事を摂る
質の良い睡眠をとるためには、規則正しく食事を摂ることも大切です。
特に朝食を抜くと睡眠をつかさどる体内時計が乱れ、睡眠不足になりやすくなるので注意が必要です。
脳のエネルギー補給のためにも朝食は重要で、ぐっすり寝て疲れが取れたという感覚を得ることにも関係するといわれていますよ。
また遅い時間に夕食を摂ると、眠りを妨げるだけでなく、翌日の朝食の欠食などにもつながります。
就寝直前の食事を避け、しっかりと朝食を摂ると、体内時計が調節されて睡眠と覚醒のリズムが整うと考えられているのです。
ポイント9 寝室の環境を改善する
寝室の環境を整えることで、睡眠の質の向上が期待できます。
寝具や寝室の温度・湿度、音、光などを調節し、睡眠に適した状態を目指しましょう。
寝具は、寝ている間の保温性・吸湿性・放湿性が高く、体への負担が少ないものを選びましょう。
朝起きたときに首や肩のこりを感じる場合には、枕が合っていない可能性があります。
枕は首や頭を支え、後頭部から首にかけての隙間をほどよく埋める高さのものを選びましょう。
マットレスや敷布団は、背骨の自然なカーブを保てるよう、体を支える適度な硬さを選ぶことが大切です。
掛け布団は、軽く体にフィットし、吸湿性・放湿性・保温性を兼ね備えたものがおすすめですよ。
また、寝室はできるだけ暗くし、静かな環境を確保することもポイントです。
さらに、体温の変化は寝付きの良さに関わるため、室温を快適に整えることも大切です。
夏は特に、エアコンなどを活用して寝室を涼しく保ちましょう。
ポイント10 自分に合った方法でストレスを発散する
ストレスが原因で寝付きが悪くなっていると感じる場合、適度にストレスを発散することが重要です。
好きなことに没頭している間は、ストレスの原因になっているものについて考えずに済みます。
ただしストレス発散は、自分に合った方法で行うことが重要です。
本を読む、映画を見る、ゲームをする、絵を描くなど、どんなことでも良いので自分が楽しいと思えることに没頭しましょう。
ストレスをためこまないように、オンとオフを上手に切り替えてくださいね。