ストレスが睡眠に悪影響を及ぼす理由
1.ストレスとは
一般的に「ストレス」とは、望ましくない状態を引き起こす要因と、それによって生じる望ましくない状態のことを指します。
原因と結果、二つの意味を持つ言葉として用いられているのですね。
一方、心理学や医学の分野では、ストレスの原因となる刺激を「ストレッサー」、ストレッサーに対して現れる反応を「ストレス反応」といいます。
ストレッサーにより、眠れなくなる、イライラする、気持ちが落ち込む、頭や体が痛くなる、食欲が低下する、ミスが増えるなど、心身や行動にさまざまなストレス反応が生じるのです。
メモ
ストレスはもともと物理学や工学で使われていた用語で、物体に圧力をかけることで生じるひずみのことをいいます。カナダの生理学者セリエが、「外部からの刺激によって引き起こされる生体の反応」に対して用いたのがきっかけで、現在の概念が確立されました。
2.ストレスと睡眠の関係
ストレスは「自律神経」に影響を及ぼし、その結果、睡眠の質を低下させると考えられています。
自律神経とは、呼吸・心拍・血圧・体温の維持、消化、排せつなど、意思とは関係なくはたらく体の機能を調整する神経の総称です。
自律神経は、活動時にはたらく「交感神経」と、休息時にはたらく「副交感神経」に分けられます。
緊張しているときや興奮しているときには交感神経が、リラックスしているときには副交感神経が優位になると考えられています。
通常、日中は交感神経が優位になって活動的になり、夜は副交感神経が優位になることで眠気が生じます。
しかし、ストレスがかかると交感神経が優位な状態が続き、副交感神経のはたらきが弱まってしまいます。
このため、脳の興奮状態が続き、寝付きが悪くなる(入眠困難)、夜中に目が覚める(中途覚醒)、朝早く目が覚めて再び眠れない(早朝覚醒)など、典型的な不眠の症状が現れることがあります。
また、睡眠不足が続くとストレスへの耐性が低下し、より強いストレスを感じやすくなるなど、悪循環に陥ることがあると考えられています。
メモ
ストレスを感じるとコルチゾールというホルモンの分泌量が増加します。また睡眠不足によってもコルチゾールの分泌が増えるといわれています。コルチゾールは体にとって必須のホルモンですが、慢性的に過多の状態が続くと自律神経のバランスが崩れ、ストレスへの耐性が低下するといわれます。