ストレスと蕁麻疹の関係とは?免疫と自律神経の乱れによる症状解説
「ストレスを感じたときに、肌がかゆくなる」「仕事が忙しい時期に蕁麻疹が出る」――そんな経験はありませんか? 実は、ストレスは心だけでなく、皮膚や免疫にも影響を与える要因のひとつです。精神的な緊張や疲労が続くことで、自律神経のバランスが崩れ、蕁麻疹を引き起こすことがあります。
この記事では、ストレスと蕁麻疹の関係をわかりやすく解説します。体の中でどのような変化が起こっているのか、科学的なメカニズムを知ることで、正しい対処法を見つけるヒントになるでしょう。
ストレスと蕁麻疹は関係がある?
蕁麻疹を発症する方のなかには、日常的に強いストレスを感じている方が大勢います。 「ストレスと蕁麻疹は関係がある?」「ストレスは蕁麻疹の原因?」といった疑問を感じる方が多いのはこのためでしょう。
この疑問に答える前に、まずは蕁麻疹が発症するメカニズムを簡単に紹介します。
蕁麻疹が起こる基本的なメカニズム
蕁麻疹は皮膚の付近にある「マスト細胞」から、ヒスタミンなどの作用物質を含む顆粒が放出されることで発症します。 放出されたヒスタミンは皮膚の血管を拡張させ、これにより皮膚の一部が盛りあがって見えます。 また血管から血漿(血液の血球以外の成分)が周囲に滲み出るため、皮膚の一部が赤みを帯びます。 またヒスタミンは神経を刺激し、痒みを発生させます[1]。
なおマスト細胞が顆粒を放出させる現象は、体の「反応閾値(はんのういきち)」、つまり一定の限界値を超える刺激を受けることで発症するといわれています。 反応閾値の範囲は人によってさまざまです。また同じ人でも、体調などによって反応閾値が変化することがあります。
ストレスも蕁麻疹の発症に影響を与える要素の一つです。 一般に「ストレスは万病の元」というように、ストレスは体にさまざまな影響を及ぼします。 例えば自律神経のバランスが崩れると免疫システムが弱り、反応閾値が下がってしまいます。 つまりストレスによって反応閾値が下がることで、結果として蕁麻疹が発症しやすくなるのです。
[1] 公益財団法人 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「Q3蕁麻疹が起こる仕組みを教えてください。」
まとめ
いかがでしたでしょうか。 ストレスは体だけでなく、皮膚や免疫のバランスにも影響を与えるため、蕁麻疹の発症要因になることがあります。特にストレスによる自律神経の乱れは、免疫反応を過敏にしたり、ヒスタミンを放出しやすくしたりすることがあります。 要点を整理すると以下のとおりです。
ストレスは自律神経や免疫に影響を与え、蕁麻疹の引き金となる ヒスタミンが放出されることで皮膚が赤く腫れ、かゆみが起こる 体調や心の状態によって、蕁麻疹が出やすくなることもある