REST PALETTE

今日からできるストレス軽減法6選!心と体のバランスを整える習慣

ストレスを感じたとき、「どう発散すればいいのか分からない」という方は多いのではないでしょうか。 実は、ストレスを完全にゼロにすることは難しくても、日常の中でうまくコントロールすることは可能です。

本記事では、考え方・休養・入浴・運動・趣味・呼吸の6つの観点から、ストレスをやわらげる実践的な方法を紹介します。 気持ちが沈んでいるときや疲れが取れないとき、今日からできるリセット習慣の参考にしてください。

ストレス発散に役立つ方法

「ストレスを解消するためにはどうしたら良いんだろう?」 社会生活を営む以上、ストレスを完全にゼロにすることは難しいといえます。 また適度なストレスは脳の機能、特に記憶力などに良い影響を与えるというマウスでの実験結果も報告されているのです[1]。

重要なのは適度にストレスを解消しつつ、ストレスと上手に付き合っていくことだといえるでしょう。 ここでは普段の生活の中でストレス解消に役立てられる方法をご紹介します。

[1] Elizabeth D Kirby et al. 「Acute stress enhances adult rat hippocampal neurogenesis and activation of newborn neurons via secreted astrocytic FGF2

方法1 考え方を変える

考え方を変える

同じ環境にいてもストレスの感じ方は人それぞれで、強くストレスに感じる人もいればあまり気にならないという人もいます。 その差は物事の捉え方、考え方の違いからきているといえるでしょう。 過去にすごく悩んでいたことでも、後から振り返ると「何をそんなに悩んでいたんだろう?」と不思議に思った経験がある方もいらっしゃるかもしれませんね。

これは環境の変化もあるかもしれませんが、主には自分自身の考え方が変わったことによるものです。 物事の捉え方を少し変えてみることで、ずいぶんと楽になることがあります

「考え方を変えるなんて、そんな簡単にできないよ......」 と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、少しずつ意識を変えていきましょう。

完璧主義は捨て、柔軟な思考を心掛けることが重要です。 「完璧な人間はいない」「目標と現実のギャップがあるのは当たり前」と肩の力を抜くことで、ゆとりをもって物事に取り組めるはずです。

ストレスがたまると何事もネガティブに捉えて、独りで悪循環に陥ってしまう恐れがあります。 「肯定的に捉えられるところはないか」「うまくいっている部分は何か」とポジティブな面を見ることで、気持ちが前向きになって、問題解決へと意識を向けられるようになると考えられるでしょう。

「なるようになる」「じたばたしても仕方がない」と、いい意味で開き直ることもときには必要です。 うまくいかないケースを想定した上で現実を受け入られるようになり、気持ちを楽にできると良いですね。

方法2 十分な休養と睡眠をとる

十分な休養と睡眠をとる

休養と睡眠は強力なストレス対策になってくれます。 忙しいからとおろそかにせず、睡眠時間をしっかり確保するようにしましょう。

いつも忙しいからと十分な睡眠をとらずにいると、脳の機能が低下してストレス耐性が弱まってしまいます。 日中の集中力が低下してパフォーマンスが落ちる、ストレスが増して睡眠の質も落ちる、という負のスパイラルに陥る恐れもあります。

また睡眠時間が十分でないと、「自律神経」やホルモンのバランスが乱れる原因にもなります。

自律神経とは
意思とは無関係に自律してはたらき、体内を状況に応じて常にベストに保ち続ける神経の総称です。心拍、血圧、体温、消化、ホルモンの分泌などさまざまな機能を調節しています。

自律神経は互いに相反するはたらきを持つ「交感神経」と「副交感神経」の2種類に分けられますが、ストレスなどによってこれらのバランスが乱れるとさまざまな不調が現れてしまうのです。

またストレスと戦ってくれるホルモン「副腎皮質ホルモン」の分泌は、朝に最も多く、昼間から少なくなっていき、深夜には最も少なくなるといわれています。 つまり、夜更かしは自らストレスに弱い体を作っているのに等しいといえるでしょう。

心と体を休めるには早寝を心掛けて、良好な睡眠をとることが重要です。 なお、就寝前に飲酒したり、夜遅くまでスマホを眺めたりといった行為は睡眠の質の低下を招くので注意してくださいね。

方法3 お風呂にゆっくりつかる

お風呂にゆっくりつかる 入浴にはリラックス効果があり、ストレス解消を期待できます。 入浴には体を清潔にするだけでなく、血行を促したり、筋肉痛を和らげたり、神経をリラックスさせたりといった効果があります。

「どれくらいの温度のお風呂が良いんだろう?」 と疑問に思った方もいらっしゃるかもしれませんね。 ストレス解消に適した温度は分かっていませんが、寝付きを良くするためには38度程度のぬるめのお湯で25〜30分程度、42度の熱めのお湯なら5分程度が良いとされています[2]。

眠気は脳の温度が低下したときに生じやすくなるため、一度体を温めてあげることで眠りに就くときの温度の下がり幅が大きくなり、快眠を得られると考えられるのです。 時間がないからといってシャワーで済ませずに、ゆっくりお風呂につかる習慣を付けたいですね。

入浴とうつ病の関連を調べた研究結果もあります。 全国の約1万人のうつ病でない65歳以上の高齢者を調査したところ、週7回以上の浴槽入浴をしている方で6年後のうつ発症割合が低くなっていました。 特に冬の浴槽入浴との関連は統計学的有意差がありました[3]。

[2] 厚生労働省 e-ヘルスネット「快眠と生活習慣
[3] S. Hayasaka et al. 「Association between tub bathing frequency and onset of depression in older adults: a six-year cohort study from the JAGES project.」The Journal of Japanese Society of Balneology, Climatology and Physical Medicine 87(2)(2023)

方法4 適度な運動をする

適度な運動をする

適度に体を動かすこともストレス解消になるといえるでしょう。 特にウォーキングやジョギング、サイクリングなどの同じ動きを繰り返すような運動がおすすめです。

一定の動きを反復することで、精神を安定させ安心を感じさせる神経伝達物質「セロトニン」の分泌が高められるといわれています。 「少し歩いてみる」といったところから始めてみると良いですね。

また日光を浴びることもセロトニンの分泌を促すといわれています。 日頃体を動かす習慣や日光を浴びる機会がないという方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。 セロトニンが不足するとストレスや疲れをより感じやすくなってしまいます。 積極的に体を動かし、日の光を浴びるよう心掛けましょう。

方法5 趣味など好きなことに熱中する

趣味など好きなことに熱中する

趣味に熱中することもストレス発散法の一つです。 仕事など、ストレス源となり得るものと距離を置き自分の好きなことをする時間を確保するようにしましょう。

好きな映画や小説、ゲームといった娯楽に触れたり、音楽を聴いたり演奏したり、絵を描いたり、スポーツに励んだりと人によっていろんな趣味がありますよね。 無理はせず、自分に合った方法でストレスを発散すると良いでしょう。

仕事や勉強などの「オン」と趣味に没頭する「オフ」の切り替えをしっかり行うことでオンのときの意欲もさらに高まると考えられます。 また共通の趣味を持つ人と関わることで生活がより豊かになるかもしれませんね。

方法6 深呼吸やストレッチをする

深呼吸やストレッチをする

つい仕事や勉強などに集中し過ぎて、同じ姿勢のままじっとしていることが多くなってしまっているという方も多いのではないでしょうか。 ストレスがかかっているときは特に、筋肉が緊張したり、呼吸が浅くなったりする傾向にあります。 深呼吸やストレッチでリラックスし、気分を切り替えることを心掛けましょう。

深呼吸をするときは背筋を伸ばし、軽く目を閉じながらおなかに手を当ててみましょう。 ポイントは息を吸うのではなく、吐くことから始めることです。

ゆっくりと数を三つ数えながら口から息を吐いたら、次は同じようにカウントしながら鼻から息を吸い込みます。 これを5〜10分ほど繰り返すと良いでしょう[4]。 息を吐くときにはおなかが凹み、息を吸うときにはおなかが膨らむ腹式呼吸を意識してくださいね。

途中で余計なことが頭に浮かんでしまったら、気にしないで一から数え直しましょう。 またデスクから離れられない、時間がないというときには、椅子に座ったまま体を後ろにひねり、背もたれをつかむだけでも軽いストレッチになりますよ

ストレッチを行うときには以下のポイントに気を付けてくださいね。 【ストレッチのポイント】

  • 弾みをつけない
  • 痛みを感じたらそれ以上は伸ばさない
  • 大きい筋肉ほどゆっくり伸ばす
  • 呼吸は止めない
  • 伸ばしている部位を意識する

[4] 厚生労働省 こころもメンテしよう 〜若者を支えるメンタルヘルスサイト〜「こころと体のセルフケア 腹式呼吸をくりかえす

まとめ

いかがでしたでしょうか。 ストレスを抱えたときは、我慢や根性よりも「自分を整える習慣」が大切です。 本記事で紹介した6つの方法を日常に取り入れることで、心と体のバランスを整えやすくなります。

ストレス解消法まとめ
・考え方を変えて、完璧主義を手放す
・睡眠と休養をしっかりとる
・入浴でリラックスして疲れを癒す
・運動や日光でセロトニンを増やす
・趣味に没頭しオン・オフを切り替える
・深呼吸とストレッチで心身をほぐす

これらの習慣を無理なく続けることが、ストレスに強い体と心を育てる鍵になります。