眠りを妨げる要因に注意!カフェイン・お酒・喫煙の影響を徹底解説
「寝る前にコーヒーを飲んでしまった」「寝酒で眠ろうとしている」 ――こうした習慣が実は睡眠の質を下げているかもしれません。
本記事では、カフェイン・アルコール・たばこといった嗜好品が睡眠に与える影響を解説します。 普段何気なく摂っているものを見直すことで、ぐっすり眠れる夜を手に入れましょう。
睡眠の質を上げるための嗜好品摂取のポイント
睡眠の質は普段摂取している嗜好品によっても左右されます。 この記事では睡眠の質に影響する可能性がある嗜好品の摂取について、三つのポイントをご紹介します。
ポイント1 カフェインを摂り過ぎない
カフェインを摂り過ぎると睡眠の質が下がるため注意が必要です。 カフェインはコーヒーや紅茶、エナジードリンクなどに含まれる成分で覚醒作用があります。 そのためカフェインを摂り過ぎると眠りが浅くなり、夜中に起きることが増え、眠れる時間が短くなることが分かっています。
具体的には1日当たり400mg以上のカフェインを摂取すると睡眠に悪影響を与える可能性があります [1]。 400mgというのはドリップコーヒーでマグカップ2杯分(約700mL)、ペットボトルコーヒーで1.5本分(約750mL)程度です[1]。
その他、緑茶の一種である玉露(ぎょくろ)では約250mL、紅茶では約1,300mL程度を摂取するとカフェインが400mgを超えます[1]。 エナジードリンクなどに関しては製品によって含有量が異なるため、成分表をチェックしてください。
摂取量だけでなく、摂取するタイミングにも注意しましょう。 カフェインの「代謝」にかかる時間は3〜7時間と個人差があります[1]。
仮に代謝にかかる時間を5時間とし、就寝時間を23時とした場合、18時以降にカフェインを摂取すると就寝時にまだ体内にカフェインが残った状態になります[1]。 そのままでは睡眠の質が下がる可能性があるため、夕方以降はなるべくカフェインの摂取を避けると良いでしょう。
[1] 厚生労働省「良い睡眠の概要(案)」
ポイント2 寝酒をしない
睡眠薬代わりにアルコールを摂取する、いわゆる寝酒は睡眠の質を下げてしまいます。 アルコールは寝付きを良くし、睡眠の前半では深い眠りをもたらします。
しかし睡眠後半の質は明らかに低下し、飲酒量が多いほど目覚める回数も多くなってしまいます。 またアルコールの大量摂取、常用的な飲酒を繰り返すとアルコールを飲まないとなかなか眠りに就けなくなってしまうことがあるため注意が必要です。
ポイント3 就寝前の喫煙は避ける
就寝前の喫煙は寝付きの悪化、中途覚醒の増加、深い睡眠の減少などの悪影響を及ぼします。 たばこに含まれるニコチンには覚醒作用があり、ニコチンが血液中で半減するまで約2時間かかります[2]。 そのためある程度時間に余裕を持って喫煙をしたとしても、就寝時に覚醒作用が残る可能性があるのです。
また習慣的に喫煙をしている人がたばこを控えると不眠の症状が現れることがあります。 たばこを吸っているかどうかにかかわらず睡眠の質が悪化することになりかねないので、睡眠の質を上げるには喫煙自体を控えた方が良いでしょう。 従来の紙巻きたばこに加え、加熱式たばこや電子たばこであってもニコチンが含まれている以上、睡眠の質低下につながる恐れがあります。
[2] 厚生労働省「良い睡眠の概要(案)」
質が高い睡眠のメリット
質が高い睡眠は心臓や脳の血管、代謝、「内分泌」、免疫、認知機能、心の健康などの増進・維持にとって重要です。
睡眠の質が悪化するとこれらに関連したさまざまな病気の発症リスクが増加します。 質が高い睡眠をとることは、間接的に病気を予防することにもつながるのですね。
また質の高い睡眠は労働災害や自動車事故など、眠気や疲労が原因の事故のリスクを下げます。
さらに睡眠は体の成長や記憶の定着などとも深い関係があります。 しっかり眠ることで体の成長が促され、記憶の定着が進んで学習効率が上がります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。嗜好品はリラックス効果がある一方で、過剰に摂取すると睡眠の質を大きく下げる原因になります。
要点は以下の通りです: カフェインは夕方以降の摂取を控える 寝酒は前半の眠りを深くしても後半を浅くする 喫煙は覚醒作用により寝付きや深い眠りを妨げる
快眠を得るには嗜好品を正しくコントロールすることが重要です。生活習慣や環境とあわせて見直してみてください。